No.738 懐かしき池袋
更新日:2021年10月13日
ID番号: 3566
瀬戸市美術館で開催中の瀬戸市制施行92周年記念『池袋モンパルナスー画家たちの交差点ー』を観てきました。作品それぞれが時代を反映し、画家たちの熱を感じたのと同時に、戦後間もない池袋駅界隈の様子の紹介もあり、とても懐かしく思いました。私が東京に住んでいたのは昭和40年(1965年)代の初頭、たった3年間でした。そのころ、休日はほとんど池袋界隈で過ごしており、東口に比べ西口の開発は遅く、戦後の家並みもわずかながら残っていました。
説明によれば、1920年以降、池袋界隈には芸術家向けのアトリエ付き住宅が立ち並び、家賃が安いこともあり、上京した芸術家たちが集い「アトリエ村」と呼ばれる一画が形成されていったそうです。芸術家同士の交流も活発に行われたようで、他にはない独特の雰囲気を醸し出していた様子をパリの芸術家の街になぞらえて、「池袋モンパルナス」と呼ばれていたとのことです。
私の過ごした頃の池袋駅西口には、アトリエ村は無かったと思いますが、下町ともまた違う独特な雰囲気があったように思い出されます。街がコンクリートの建物に急速に変わっていった時代だったと思います。
この展覧会は、(一財)地域創造の助成による令和2・3年度の市町村立美術館活性化事業で、板橋区立美術館と豊島区の所蔵品から厳選された86点が展示されています。本市にアトリエを構え活躍した北川民次画伯もメキシコから帰国後の一時期を池袋で過ごされていることから、北川民次作品(瀬戸市美術館所蔵)も展示されています。ぜひご覧ください。
伊藤保德
※会期は11月14日(日)までです。くわしくは、こちらをご覧ください。