No.650 海を渡った古伊万里
更新日:2021年4月19日
ID番号: 3182
4月10日(土)から始まった、愛知県美術館特別展「海を渡った古伊万里」のオープニングに出席し、その後鑑賞しましたが、とても素晴らしい内容でした。数々の展示品の素晴らしさはもとより、他にも大きな驚きがありました。
本展の案内には次のように記されています。
『オーストリア、ウイーン郊外にたたずむ古城ロースドルフ城には、日本の古伊万里を中心とした陶磁器が多数所蔵され、かつそれらは調度品として城内を美しく飾っていました。ところが第二次世界大戦終結直後の混乱期に、コレクションの多くが破壊されてしまったのです。城主であるピアッティ家は、城内に残された大量の破片を廃棄するのではなく、現在まで大切に保管し、平和への祈りをこめて一般公開してきました。本展では、国内にある古伊万里の名品とともに、破片を含むロースドルフ城の陶磁コレクションを日本初公開いたします。さらには、日本における最新技術により破片を修復した作品を展示し、波乱に満ちたロースドルフ城コレクションの全貌を明らかにします。』
破壊された破片や、それを復元する技術を目の当たりにして感動しました。
幸いにも、復元を担当された繭山晴観堂の美術古陶磁復元師・繭山氏ご本人から直接話をお聞きすることができました。現在、「金継ぎ」という陶磁器修復がブームのようですが、この技法とは違い、繭山氏の場合「修復部分が分からないほどの精緻な復元技術」であり「裏側に残る傷痕をみて復元品」と分かるほどです。
開催中にもう一度出掛けようと思っています。
伊藤保德
※6月13日(日)まで開催されています。