No.1083 致知3月号より
更新日:2023年3月8日
ID番号: 33798
人間学を学ぶ月刊誌「致知」3月号の特集は、『一心万変に応ず』でした。表紙の写真は盆栽一筋、小林國雄氏です。小林氏は「春花園BОNSAI美術館」園主と景道家元三世という肩書をお持ちです。インタビュー記事は「我が人生、死ぬまで修業」というタイトルで、1億円の盆栽をつくる男が語った仕事の流儀が掲載されています。
「BONSAI美術館」は、小林氏が53歳の時、10億円の私財を投じ開館しました。名前にローマ字で盆栽とされていることからも、視野が極めて広いことが伺えます。そして8百坪の敷地には、約千鉢の盆栽が並んでいて、1鉢数百万円から数千万円、中には1億円の値が付くものもあります。年間約3万5千人の来館者のうち約8割は外国人で、最近では国内より海外で注目され、人気を博しているとのことです。
その盆栽を極めた小林氏が「死ぬまで修業」という信念を持ち、あくなき挑戦をし続けていることこそが「一心」を磨き続けるものだと思いました。
なお、『一心万変に応ず』とは、「自分の心さえととのい定まっていれば、また養っていれば、人生のどのような変化にも処していける。」という教えです。長い時間をかけ、手塩にかけてつくられる盆栽の世界で、人の生き方を会得されていると感じました。
また、ピックアップ記事「心の力をいかに高めるか」では、鈴木秀子(文学博士)氏、數土文夫(JFEホールディングス名誉顧問)氏、横田南嶺(臨済宗円覚寺派管長)氏の会談でした。変化の激しい今のこの時代、どのような心構えで臨んでいったらよいのか、その人間学に根差した人生や仕事の叡智に学んでいかねばならないと思いました。
伊藤保德