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小森 忍(1889〜1962年)
「緑斑釉掻落花文組皿」 山茶窯(1928〜34年)個人蔵
小森 忍は、大阪に生まれ、明治44年(1911)に京都市立陶磁器試験場に入り、
陶磁工業技術の基礎的研究に従事するとともに、中国古陶磁の研究、
特に釉薬に関する研究を熱心に行っています。大正6年(1917)には、
中国・大連市の南満州鉄道株式会社中央試験所窯業課研究部主任に抜擢され、
京都時代から行ってきた中国古陶磁の研究に没頭していきます。
そして、大正10年(1921)には、同試験工場の一部を借用して「小森陶磁器研究所」
を創設し、窯名を「匋雅堂窯」と名付けています。
ここでは、中国古陶磁の研究のため、景徳鎮など中国各地の窯場の調査も
行われており、これが日本人が中国で本格的な調査を行った最初と言えます。
これ以降、愛知県瀬戸市における「小森陶磁器研究所(山茶窯)」
三重県阿山郡府中村の「財団法人佐那具陶磁器研究所(府中窯)」
北海道江別市の「小森陶磁器研究所(北斗窯)」などの各地で
研究がなされていき、中国古陶磁研究をベースに小森の信条であった
「化土成玉(土を化して玉と成す)」を実現させる作品づくりが行われていきます。
また小森の研究姿勢、作陶に対する考え方は、多くの陶芸を
志す者たちへ影響を与えたばかりでなく、窯を開いた各地の窯業界にも
大きな業績を残していきました。
本展は、小森が生涯を通じて追い求めた「総合芸術としてのやきもの」
という理念と技を再評価するため、日本各地の小森陶磁器研究所で
制作された広範な作品を展示するとともに、小森陶芸の基礎である
中国陶磁と彼の制作した倣古作品との対比、そして小森と交流があり、
影響を受けた陶芸家にもスポットをあて、小森が日本陶芸界の幕開けに残した
偉大な足跡を、改めて紹介するものです。
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「青磁魚文手付水注」 匋雅堂窯(1921〜28年)
瀬戸市蔵 |
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「辰砂長頚瓶」 匋雅堂窯(1921〜28年)
江別市セラミックアートセンター蔵 |
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