No.874 新出土品展 洞窯跡・東洞A窯跡
瀬戸蔵ミュージアム企画展「新出土品展」を観に行きました。今回は洞窯跡・東洞A窯跡からの出土品が展示されています。これは平成24年・27年に調査されたもので、江戸時代後期から近代にかけての洞地区の窯業生産の一端を明らかにするとともに、洞地区の歴史が写真資料などを用いて紹介されています。江戸時代の絵図に「宝泉寺」が記されていたり、窯屋の配置図に聞いたことのある名前を見つけたりして、興味深く見ることができました。そのなかでも、特に印象に残ったのは、洞本業窯、一里塚本業窯についてです。
東洞A窯跡(洞奥窯)の調査において、その痕跡は確認できなかったとのことですが、その理由として、本窯が操業終了後間もない昭和23年(1948)に解体され、昭和24年(1949)にその窯材を「洞本業窯」に、翌年には「一里塚本業窯」の築窯のため再利用したからだという説明がありました。さらに2つの窯について次のとおり説明されています。
「洞本業窯は全長約14m、最大幅約7mで、3つの焚口と4つの焼成室からなり、一里塚も規模や構造が洞本業窯と非常によく似ています。これらはいわゆる兄弟同士の窯体といえ、両者共に「洞奥窯」の特徴をそのまま継承していると考えられます。いずれも1970年代を最後に使われなくなりますが、現在も市の指定文化財としてその姿を見ることができます。」
実際に知っている窯なので、興味は増すばかりです。
なお、3階の展示「瀬戸3万年の歴史」・「瀬戸焼の歩み」もお勧めです。資料がたくさんあり、お楽しみいただけると思います。ぜひご覧ください。
※企画展会期は7月31日(日)(3階は常設展)です。
伊藤保德
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