瀬戸市オオサンショウウオ通信2019
瀬戸市オオサンショウウオ通信2019
国の特別天然記念物オオサンショウウオは、夜行性で日中は川の中の岩陰などに隠れており、昼間にその姿をみることは地元の方でもまれなことです。しかし、5月後半から6月中にかけて、下半田川町の日向川で早朝や夕方に目撃されることがあります。8・9月には繁殖期でもあり活動が活発で、瀬戸オオサンショウウオの会・瀬戸市による夏・秋の夜間観察会に事前申し込みをしていただければ生息調査に同行してオオサンショウウオを見学する機会があります。ここでは地元の方などからの目撃情報などを紹介します。
※ オオサンショウウオは特別天然記念物に指定されており、国民共有の財産であるオオサンショウオを捕獲したり傷つけたりすることは法律で禁止されています。また生息地周辺は閑静なところですので、夜間騒がしくすることは迷惑行為となります。
〈最新情報〉
8月31日
2019年度第三回目の夜間調査観察会を開催しました。
今回は人工巣穴内で一個体と、当日の調査で三個体発見されました。
人工巣穴内で発見された個体は8月10日にも発見された「ハナチャン」でした。
オオサンショウウオは8月下旬から9月上旬に産卵をし、オスはその卵を守るため8月ごろから巣穴を占拠し始めヌシとなります。
ハナチャンは例年人工巣穴のヌシとなっている個体で、今年も人工巣穴内でよく確認されています。
ニ個体目は人工巣穴から250m程度の場所で発見された全長73センチの個体です。
この個体はマイクロチップが確認できず、82番目の新規個体であることがわかりました。
今年に入ってすでに5個体の新規個体が見つかっており、代替わりがうまくいっていることがわかり安心です。
三個体目はこの付近のヌシにかまれたのか頭と足にけがを負っていました。
かなり大きな傷でしたが元気に動き回っており、計測ののち元の場所に戻しました。
四個体目は全長84センチの大き目の個体で、今年二度目の発見の個体でした。
今回で今年度の夜間調査観察会は終了となります。来年度も行いますのでぜひご参加ください。(KY)
8月10日
2019年度第二回目の夜間調査観察会を開催しました。
最近は雨があまり降らず、蛇ヶ洞川の水量がかなり減っていたおり、オオサンショウウオの活動範囲が狭まってしまうため発見は難しいかと思われましたが、前日にしかけたカニカゴ内で一個体、人工巣穴内で一個体発見できました。
人工巣穴内で発見された個体。花川橋付近で毎年発見されている個体で「ハナチャン」とも呼ばれていますが、これまでの調査や巣穴での観察からオスであるとわかっています。二日前の夜間調査の際にも花川橋付近で発見されています。
大きさは94センチ、体重は9キロ近くあり、少し太り気味の個体でした。
カニカゴ内で発見された個体。現在瀬戸市が確認している81個体中最大級の個体で、全長はなんと105センチでした。
体の斑点が細かく、体が白っぽく見えるため「シロタ」と呼ばれています。(KY)
以前、岐阜高校さんに尾の一部の細胞サンプルをDNAのマイクロサテライト解析していただきましたが、この個体を含め蛇ヶ洞川流域で捕獲された18個体については、オオサンショウウオと確認され、チュウゴクオオサンショウウオの遺伝子特徴のものは確認されていません(岐阜県立岐阜高等学校2017「岐阜県オオサンショウウオの多角的調査・解析」『第14回日本オオサンショウウオの会 南部町大会資料』等より)。(HS)
7月13日
2019年度第一回目の夜間調査観察会を夜7時より開催しました。
今日は昨日と違いなかなかオオサンショウウオが出てきてくれず、観察会が行えないかと思われましたが8時ごろ蛇ヶ洞川で1個体でてきてくれました。
全長80センチの大きな個体で、雨の中ご参加された21名の参加者にスタッフを加えた30名程度は間近で観察することができました。
成体の発見された地点より上流でエラのみられる幼生(全長10センチ)も出てきてくれました。
黒い体色ですが、うっすら斑文ができはじめています。
興奮しているのかしっぽの表面に白い粘液を出しています。(KY)
7月12日
午後8時より市職員らによる夜間調査を行いました。
近頃は雨が多く、水量も増え水流も急でしたのでオオサンショウウオの発見が難しいかと思われましたが4個体発見することができました。
日向川と蛇ヶ洞川の合流地点からやや上流では少し小さめ(70.0センチ及び65.0センチ)の成体が2個体発見されました。
次に1個体発見するも素早い動きで逃げ捕獲できませんでしたが、その後発見した個体は捕獲することができました。
全長83センチの大きな個体です。
今シーズンは蛇ヶ洞川等でのオオサンショウウオの発見数は少なくないのですが今年はまだ人工巣穴内での確認ができていません。
これがなにを意味するのか気にかかるところです。(K.Y)
6月22日
午後1時から人工巣穴清掃を行いました。
午前中は地元と瀬戸環境パートナーシップ事業所の大橋運輸さんで草刈や河川清掃をしていただきました。
天気の心配がありましたが無事に晴れ、予定どおり清掃を行うことができました。
34名の事前申し込み参加者や小西砕石様などご参加いただいた皆様ありがとうございました。
今回は大変運がよく、なんと幼生も合わせて9個体も出てきてくれました!
前日から仕掛けたカニカゴには2個体オオサンショウウオが発見されました。
2個体とも60センチ程度と少し小さめの若い個体でした。
78番目の新規発見個体
こどもたちは蛇ヶ洞川の水生生物調査を行いました。
小学生の参加者には幼生を2個体も発見してくれた子もいます。
全長は9センチと8センチ。昨年人工巣穴で幼生は孵化していないので2歳前後の個体と思われます。
ほかにも調査に加わっていただいた岐阜高校の生徒さんが成体2個体と幼生3個体を発見。
充実した調査と観察を行うことができました。
6月4日
午後3時ごろ、花川橋右岸の水落ちで発見。
水落ち部分に頭を向けており涼しいのか温かいのかじっとおとなしくしていました。
体長76センチの女の子でした。
お腹が膨らんでいたので産卵が近い可能性があります。