瀬戸市オオサンショウウオ通信2012
国の特別天然記念物オオサンショウウオは、夜行性で日中は川の中の岩陰などに隠れており、昼間にその姿をみることは地元の方でもまれなことです。しかし、5月後半から6月中にかけて、下半田川町の日向川で早朝や夕方に目撃されることがあります。地元の方からの目撃情報などを紹介します。
※ オオサンショウウオは特別天然記念物に指定されており、国民共有の財産であるオオサンショウオを捕獲したり傷つけたりすることは法律で禁止されています。また生息地周辺は閑静なところですので、夜間騒がしくすることは迷惑行為となります。瀬戸市オオサンショウウオ通信2012
〈最新情報〉
10月7日 秋の夜間観察会が夜7:00から開催されました。先週・今週の瀬戸市の夜間調査では、1個体も確認できず、イベントの際には必ず姿を現してくれるという「蛇ヶ洞川ジンクス」も今夜でとうとう潰えるのかと思われましたが、人工巣穴のブロック蔭で1個体が姿を現してくれました。 体長50cmの小柄なやや若いと思われる個体は夏の夜間観察会に発見されたもの(41cm)よりやや大きく、比較的おとなしい印象の個体でした。本年度2個体目の新規発見で、これまで若年個体の発見例が少なかっただけに、望ましいものではあるのですが、最近の蛇ヶ洞川の砂の堆積量の多さや、それらによる巣穴に適した場所(「ガマ」とか「ウロ」とか呼ばれる)の減少が目出っているので、単純に喜んでばかりもいられないのが現状です。(HS) 瀬戸オオサンショウウオの会会長 加藤八郎氏のあいさつ 58番目のやや小さめの新規発見個体
8月13日
動かないのでひょっとしたら死んでいるかも」との通報がありました。
見に行くと幸い死んではいませんでしたが、体に傷跡があり少し弱っているように見えました。
オオサンショウウオを守る会の会長を通じて市の文化課に連絡し、担当者に現場に来てもらいました。
このまま安住の地である蛇が洞川に帰すことにし、一件落着。(TT)
用水路の中で身動きがとれなくなっているオオサンショウウオ
小さな目 注意して見ないと分かりません。(中央やや右より)
保護のため一時捕獲 体長86cm 三か所(頭2か所、脇腹1か所)に怪我の傷跡あり
前足の指は4本
後ろ足の指は5本
蛇が洞川へ帰しました。
7時の急報に市文化課担当者が駆けつけてみると、TTさんの書かれてみえるように、大型のオオサンショウウオ1個体が、用水路中に流れ止まっている状況でした。おそらく蛇ヶ洞川上流から引水される用水路がオーバーフローして蛇ヶ洞川に流れ込む高さ10cm程の段差を越えて迷い込んでしまったと思われます。昨日からこの状態であるとすると相当疲れていると思われましたので、まず用水路から救出し、ケースに移して先週発見された蛇ヶ洞川本流の同様な地点へ移動しました。オオサンショウウオを衰弱させないように計測等は行いませんでしたが、頭や脇腹の生々しいキズは、先週の夜間調査で人工巣穴やや上流で確認されたナンバー51、通称「メタボ」と呼ばれる個体の特徴に酷似しています。この個体は、発見地点から1km以上上流の蛇ヶ洞ダム堰堤直下の淵に2008年2月までほとんど移動することなく生息が確認されていました。いつから下流へ移動したのか。なぜ移動したのか気にかかります。2008年2月は8050gのりっぱな「メタボ」体形であったのが、先週の2012年8月9日には4600gとかなり減量し、やや弱々しくもみえる状態でした。(HS) 8月5日 夏の夜間観察会2夜目です。今日は、夕方にまとまった降雨があり、蛇ヶ洞川の水量も少し回復しています。川の水の濁りもそれほどでないため、下流から発見を期待して調査班は調査を進めました。ところが、調査範囲の半分に至っても1個体も発見されません。ようやく人工巣穴の前で1個体泳いでいるのが確認されました。 昨日とはうって変わって観察ケースに入りきるかどうかの体長90cmの大ぶりな個体でした。30名の参加者は、興味津々。調査班のKさんは、「花ちゃん」じゃないかとおっしゃいます。特徴的な斑紋からたぶんそうだろうとおっしゃいます。マイクロチップリーダーで確認したところ、Kさんのおっしゃるように、花川橋付近でよく確認されるナンバー31の個体でした。2009年8月の調査時には86cmでしたが、ひと回り大きくなっておりました。(HS) 8月4日 夜7時から、一般の見学参加希望者の方を交えた夜間観察会を瀬戸市と瀬戸オオサンショウウオの会が行いました。昨年度までは夏1回のみの夜間観察会でしたが、本年度は夏2夜秋1夜の3回実施し、観察案内ができる機会を増やしました。連日の猛暑と少雨に加え、水田への引水がピークをむかえるため、蛇ヶ洞川本流の水量はかなり少なく、オオサンショウウオの活動範囲も狭められて、発見できないのではないかと心配されましたが、7時30分頃に花川橋付近で体長41cmの小ぶりな個体を発見することができました。観察会参加者21名に見守られながらの調査・観察です。 その結果、この個体にはマイクロチップは埋め込まれておらず、新規発見の個体であることが分かりました。57番目(現在確認されている個体は1体滅失(死亡)確認されたものを除き56個体)のマイクロチップを専用の注射器で埋め込むのですが、この個体は元気がいいというのか、ゴソゴソとなかなか落ち着いてくれるまで時間がかかりました。これまでの蛇ヶ洞川の調査では、小ぶりな個体の発見例が少なく、世代交代がうまくいくか懸念されていたところです。このような個体が数多く生息してくれていればいいのですが。 8月4日の調査では、人工巣穴のやや上流の護岸擁壁の隙間にできたウロにもやや大きめの個体がじっとしていることが確認されました。水量の少ない今時分には、賢明な対応なのでしょうか。(HS) 7月2日
昼間でも運良く 1匹のオオサンショウウオが川の中に出てきてくれていてみんな大喜びでした。
識別番号00012680EB、体重2.1kg、体長69.5cmの黒っぽい個体でした。
すでに調査済みの個体にはマイクロチップが首のあたりの皮下に埋められており、
世界でただひとつの固有識別番号が計器を近づけると読み取れるようになっています。
調査のため一時捕獲されたオオサンショウウオ
人工巣穴の清掃
ついでにみつかったヨシノボリの卵塊
その後さらには蛇が洞川の支流である日向川でも1個体が昼間出ているのが確認されました。
みんなが巣穴清掃に来てくれたのでサービス精神よろしくお出まししてくれたようです。
こちらは識別番号0610ESBB、体重4.2kg、体長84.0cmの大きな個体でした。(TT)
5月19日
17日夜は最後に確認したでっかいオオサンショウウオがきっちりと撮影できなかったので 18日20時頃、再び例のコンクリート桝のところへ観察しに行きました。 前日夜の観察中、不用意に顔の前に出した私のゴム長にいきなり噛みついたヤツがちょうど草むらの水路からそのそと出てくるところでした。この桝はお気に入りの場所のようです。 数分して(20時05分ころ)桝の中に入り込みました。水も澄んでいてそこそこいい感じで全身が撮れたのでお送りします。 体長約90cm、横幅も広く体重もありそうです。
なお、観察中、顔の前へ手などを出すことは極めて危険な事を改めて認識しました。(TT)
最近は夜8時を過ぎないと現れなくなってきました。(以前は7時前にはすでに出ているものもいました)
また午前5時前には巣穴へ帰っていくようで 朝の観察は4時までくらいに行かないと空振りします。(以前は6時半ころでも川の中に居残っているものもいました。)
日向川には90cm級のが2匹、70cm弱のが1匹、80cm前後のが1匹、85cmくらい(体色がとくに黒っぽい)のが1匹と都合5匹は確認出来ています。体長は間接測定ですから必ずしも正確ではありません。
日向川下から2番目の橋付近から下流の蛇が洞川合流点までの100mたらずの区間に集中しています。これらはマイクロチップが埋め込まれている個体かそうでないかは今後の調査を待たないとわかりません。蛇が洞川では今のところ1匹しか確認出来ていません。他の人は見ているかもしれませんが、蛇が洞川で見られる頻度は減少しているように思えます。(TT)
5月17日
17日の夜は蛇が洞川で1匹、日向川で4匹確認できました。 蛇が洞川はニノ湯付近の堰堤下流のコンクリート河床の割れ目から顔を出しかけていましたが水流が強く、波立っていてうまく撮れませんでした。日向川で最後に見た1匹は橋の下のセキショウが茂った狭くて水量の少ない水路からコンクリート桝のところに向かって 大振りな個体がのそのそと移動している最中でした。
こちらがガサゴソ動きすぎたためにかなかなか撮れる位置にまで出てきてくれず、途中の草むらのなかで動きを止めてしまいました。あと5分も静かに我慢して待っていればよかったと反省しきりです。 (TT)
呼吸するために深みから浮かび上がってきたところ
5月16日
今日は18時半から日向川と蛇が洞川でオオサンショウウオの観察をしました。
蛇が洞川では確認出来ませんでしたが日向川では3匹を確認しました。
18時45分ころ1匹が巣穴から半身を出し、あたりをうかがっていました。 (TT)
19時になったらゆっくりと全身が外に出てきました。体長73cmでした。こちらのはややスリムです。
次いで19時15分ころ昨日と同じ場所に体長90cmのが出ていました。
今朝、カエルを丸飲みしたのと同じ個体かと思われます。幅がひろく重量感があり、メタボな感じがします。さらには19時30分ころ、別の場所でやはり体長90cm程度の個体が1匹川底に姿を現しているのを見つけました。今夜は合計3匹を確認することができました。(TT)
5月16日
今朝、5時40分ころわが家近くの日向川へオオサンショウウオを見に出かけたところ 同じ場所に2匹がかたまって出ていました。 近くに浮かんでいた1匹のトノサマガエルがよせばいいのに大きい方のオオサンショウウオの 鼻先の方へスゥーッと泳いでいったと思ったらその瞬間、ガブゥアッと大口をあけた怪物の口の中に 吸い込まれていってしまいました。
普段はじっとしていて愚鈍・鈍重の代名詞のような彼ら。その俊敏な動きにあっけにとられてしまいました。まさに一瞬のことでした。
日が昇って6時を回った頃、2匹はいそいそと巣穴の方へと帰路についたのでした。1匹は体長90cm、もう一方は80cmでした。(TT)
5月7日
5月7日20時30分ころ、日向川の農業用水排出口のところ他で各々1匹ずつ姿を確認しました。体長は約70cmと65cmでした。
懐中電灯の明かりでは写らなかったのでストロボを使いました。 水面反射もほとんどなく、じっとしていてくれたのでこんな具合に撮れました。観察は夜の方が確実です。(TT)
5月4日
畑仕事をやってる知人からオオサンショウウオが町内の日向川に姿を現しているとの 連絡があったので早速行って写真を撮ってきました。昼間姿を見せるのはまれなことです。
体長65cmくらいでした。(TT)
(日向川下の橋の少し上流で 体長約90cm)
上とは別の個体(日向川川岸近くで 体長75cm前後)
(5月4日朝8時頃撮影)